父が丹精に育てた大輪の菊の花が、今年も見事に咲いた。 庭を臨む和室に、両親と夫と私が揃う。 黒と黄はだ色のクロスをダブルに掛けた食卓で、会席風の料理を戴く。 両親の長寿を祈り、お料理「ほし」のご店主が調製してくださった。 菊花皿に向付を盛る。 壮健な両親を祝い、猪口は「福」の文字入りを用いた。 椀盛の蕪は、高貴な菊花の風情を漂わせている。 花びらを浮かべた菊酒を酌みつつ、重陽の節句を楽しむ。 父が謡う「菊慈童」の調べの中、観菊の宴は続く。
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椀盛 菊蕪 海老?薯射込み 薄葛仕立て 菊花 軸三ツ葉 向付 鯛松皮造り 車海老の造り 紅白よりけん 菊花 山葵 焼物 ?幽庵焼 両褄折り 銀杏松葉打ち 蓮根黄身ずし射込み 酢物 五色のきぬた巻 敷黄味酢 人参 大根 胡瓜 薄焼き卵 もってのほか/おもいのほか(菊花) 御飯 栗ごはん 栗 本しめじ 舞茸 菊花酒